本と映画と日常と

自分が読んだ本、鑑賞した映画と日常の徒然を書き留める備忘録ブログです。感想記事にはネタバレもありますので、各自の判断と責任のもと閲覧くださいませ。

【19.05.07.】『GANGSTA.』感想

 

GANGSTA. 8巻: バンチコミックス

GANGSTA. 8巻: バンチコミックス

どうか、この呪いに名前をください。

過去を棄てた背信者と、過去に縋る狩猟者。
陽のあたらない場所に生まれ落ちた二人が、偽り無き魂をぶつけ合う。
まるで別れを惜しむ、恋人のように――。
有と無を往還する、永遠の第8巻。
amazon.co.jp「商品説明」より)

 

【ここから感想です】

 

某電子書店に投稿した8巻のレビュー(アニメの続きになっています)を転載します。汗


勧められてアニメから入ってドはまりし、原作も購入。
アニメ1期の終わり方があまりにも「そこで終わるんですか?!」という状態だったので、その続き辺りから…と思い、7.8巻を先に入手したのですが、あまりにもメンタルをえぐってくる内容で、8巻に至っては表紙がもう見れない…とブックカバーをしてしまいました…。
あれがマルコとコニ―のHappy Endの形だと納得している部分もあるのですが、黄昏種のことも含めて、
「果たして本当に生きることが、イコール幸せと断言できることなのだろうか」
と思わせるシーンがこの作品には多過ぎます…。
だからといってタナトスに傾倒するわけではなく、死も生も、ただそこに「在る」だけだなあ、という虚無感に襲われるというか。

8巻の段階で、ウォリックが壊れてしまったように見えるんですが、ビッグママとウォリックだけが分かっている何かがあって、なんらかの目的のために「その選択」をしているようにも見え、もう9巻が待ち遠しいです…困った…。

作者のコースケさんは、闘病生活の中、本作への意欲は維持されていらっしゃるとのことです。
ステロイド剤の適応疾患は多岐にわたるので一概には言えないものの、作者が心身を削いでこの作品を生み出していると思わせるくらいの気迫を感じさせ、強くこちらを揺さぶってくる作品です。
作者さんが作品に取り込まれてしまわない範疇で、ぜひ完結を読ませてもらいたいと切に願います。
願わくは、物語冒頭のころのような、荒んだ街ではあっても、まだぬくもりを感じられる、あのころみたいにウォリックとニコラスがまた肩を並べているところを見たいです…。