本と映画と日常と

自分が読んだ本、鑑賞した映画と日常の徒然を書き留める備忘録ブログです。感想記事にはネタバレもありますので、各自の判断と責任のもと閲覧くださいませ。

【19.04.12.】『きのう何食べた?』感想

 

あらすじ:
鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのことがんもとこんにゃくの煮物、栗ごはん、トマトとツナのぶっかけそうめん、鶏肉のオーブン焼き、ナスとトマトと豚肉のピリ辛中華風煮込み、いちごジャムetc.……

【ここから感想です】

 

 

実写化されることからこの作品を知ったのですが、すでに10巻以上既刊になっていたので手が出せずにいたものの、クーポン配布のおかげで「えいっ!」と電子のセット買いで読むことができました。

イカップル、シロさんとケンジや彼らを取り巻く人たちの日常のお話ですが、コンセプトとして毎回シロさんの献立やそのレシピに結構なページが使われています。
四十路を超えた男性による切実なまでのメタボ対策健康志向のレシピが、こちらの危機意識をも高めてくれて(笑)、ついつい読んだあとには冷蔵庫を見て同じ食材があれば真似をしてしまいます。

そうなんです、再読というレベルではないくらい読み返してしまう、ある種レシピ本にもなっているんです!笑
電子だと「あ、この間読んだアレを食べたい!」と思った時、探すのにかなり手間がかかるのでやっぱり紙本を少しずつ買い集めるべし、と「家族会議」で決まりました。笑
そうなんです、家族に勧めてしまったのが運の尽き(?)で、LGBTQに無関心な家族にも抵抗なく読んでもらえてしまうお話なんです!

最初は「これ食いたい」とリクエストしたいがために読んでいた家族も、シロさんやケンジの会話や家族の対応、職場の人や料理友だち一家とのエピソードの中で、ごく自然に、その点を大きく取り立てることのない感じで「あ、そっか」と知っていってくれるのが、家族として嬉しく思いました。

同性愛者に限らず、子どものいない家庭の介護問題や終活、病気やけがで入院したときはどうする?などなどのエピソードは、誰もがいずれ熟考するときがくる話でもあり、シロさんの尊敬に値する家計管理は、家族に我が家の家計を顧みる機会をくれたり、この作品を読むことで得た恩恵は枚挙にいとま在りません。

かと言って堅苦しいお話は全然なく、ほのぼのとした気持ちで読めるのに、読後は日常のふとした瞬間に思い返してしまうことがらが散りばめられている作品です。
「ゲイカップルの話」としてではなく、「近い将来の自分」「中年以降になってからの自分」のような感覚で読み終えました。
料理好き、ごはん食べるの大好きさんにはもってこいの作品です。
(料理好きさんはシロさんと脳内バトルができそうです。笑)
とにかく美味しいごはんが食べたくなるので、夜中に読むのはキケンです。笑