本と映画と日常と

自分が読んだ本、鑑賞した映画と日常の徒然を書き留める備忘録ブログです。感想記事にはネタバレもありますので、各自の判断と責任のもと閲覧くださいませ。

【18.05.12.】『ふきげんなディア』感想

 

あらすじ:
「今やめたらつらいだけだろう?」
絵本が好きで入った出版社で如月奏汰は児童編集部から
文芸編集部に異動になったと思ったら、
いきなり気難しいと噂の桜庭 斎の担当になってしまう!
そのうえ、仕事場を片づけていた時、
資料に欲情した奏汰は桜庭の手でイカされて、キスまでされてしまい!?
だけど、次に会った時は相変わらずふきげんで意地悪で……
先生は何を考えているんですか?
溺愛系・意地悪攻×無自覚系・純真受、意地悪だけど激甘な恋の始まり!
amazon Kindleストア商品説明より)

【ここから感想です】

 

絵柄が好みだったので表紙買いしましたが、作中に出てくる『ふわふわ』というタイトルの絵本が奏汰の精神安定剤、というくだりに、この作品が私にとってのそれに当たることになってしまったくらい、ふわふわになれるお話でした。笑

商品説明にあるそのくだりは、「ないよなあ」という唐突感が無きにしも非ずですが、『意地悪攻』の設定が活かされるところがここだったのかなあ、とは思います。
でも桜庭先生は、意地悪というより不器用で繊細で、意地悪さよりも表現の不器用さと奏汰くんへの溺愛ぶりが魅力的な攻さんでした。
奏汰くんは紹介通り、無自覚のド天然で、とにかく一生懸命で素直なので、桜庭先生が意地悪したくなるのも分かる(笑)という子で、かわいいしか言葉が出てこないです。
桜庭先生の天敵、作家の百武先生が奏汰くんに対して「なに!?このかわいい生き物」というセリフがあるのですが、まさにそれ!という感じで…。

振り回され感半端ない奏汰くんですが、その無自覚ド天然で桜庭先生のトラウマを払しょくする辺りは、ただ恋愛に浮かれている関係だけでなく、2人が同志であり対等でもあると思わせてくれるストーリー展開で、その点が私にとって精神安定剤な部分でもあります。
作中に登場する『ふわふわ』という絵本の一節がところどころに出てくるのですが、それを地で行く2人の在りようがステキだと思わせてくれる作品でした。

奏汰くんが桜庭先生に「先生が描きたいか描きたくないかです」のシーン、本当にメチャクチャ大好きで何度も読み返しています。
紙で買えばよかったと思う反面、きっとボロボロになっていただろうな、と思うくらいには読み返しているので、電子でよかったのかも、と思いつつ、そして初版はもう手に入らないだろうなと思いつつ、紙の購入も検討中です。笑