【20.01.03.】『青のフラッグ(7)』感想
【ここから感想です】
知人から「青春時代を思い出して懐かしい切なさがあるから読んでみて」とオススメされた作品。
当時5巻まで発売済みで、ジャンプ+のサイトで読書可能な1巻相当分を読了した数分後に全巻を紙書籍でポチった、という勢いで引き込まれる作品でした。
登場人物たちは、みんながそれぞれ自分や相手に全力で向き合っている瞬間があったり、そうかと思えば否定される怖さから目を背けてしまったり。
実際の社会では、そういう面を表に出せる人を見かけなくなっただけに、読む人によっては、自分には表に出せなかった部分を彼らがぶつけ合っているように見えるのではないでしょうか。
考えや気持ちが食い違ったりすれ違ったりして、読んでいるほうとしてはもどかしい気持ちになりますが、どの子の言葉や考えも「間違って」はいないから、余計に切ないです。
レビュータイトルにちなんだエピソードを7巻から挙げるとすれば、
シンゴ
「オレがどんな奴かってのも結局一ノ瀬くんの想像力と観察力と捉え方次第じゃん」
「感情自体に善悪はない。誰かにとって都合がいいか悪いか=雑なジャッジ」
「(どっちの味方なんだと責められたとき)おまえは敵を作りたいのか」
マミ
「アタシだって気付きたかった。同じじゃなきゃ解らないなんて言われても、そんなの無理じゃん。なりたくたってなれない」
選ぶのに苦心しましたが、全部ご紹介すると触法レベルの引用になってしまうので、是非ご自身の目で確かめていただければ、と…っ。
特に今回の巻では、シンゴの「おまえは敵を作りたいのか」と言わざるを得ないシーンにおいて、こういうやり取りが実社会に溢れているため溺れそうになるときがあります。
彼のこういう概念が1人1人に根付けば、もっと優しい社会になるのかなあ、など、登場人物の言葉1つ1つから色々考えさせられてしまう作品です。
オススメしてくれた知人と作者さんに感謝頻りの作品でした。
この作品と出会えてよかった、と感謝しつつ、続刊も引き続き楽しみにしています。