本と映画と日常と

自分が読んだ本、鑑賞した映画と日常の徒然を書き留める備忘録ブログです。感想記事にはネタバレもありますので、各自の判断と責任のもと閲覧くださいませ。

【14.06.01.】虎姫一座公演鑑賞

昨日、10数年ぶりに舞台を見に行きました。

浅草レヴュー 虎姫一座

 虎姫一座とは、日本のエンターテインメント発祥の地、浅草で古きよき昭和歌謡リバイバルをコンセプトに練り上げたスペシャル・コンテンツを上演する為に結成され、歌は勿論のことパントマイム・踊り・アクロバットなどを交えたショーを魅せる総勢16名のスーパーユニット。
(公式サイトより引用)

 舞台鑑賞好きな知人が今一番推している劇団なのですが、コンセプトが前述のとおり、そして動画などを見ても、私でさえ生まれていない時代のエンタメ・コンテンツが目白押しなこの舞台、私が場の雰囲気を乱して「???」な顔して眺めてしまうなど、出演者さんに失礼なことになるのではないか、と少々(いや、かなり;)不安だったのですが。

 プロフィールを見ると、最年長のあきらくんでさえ、私よりも一回り年下、という若人集団。
 にも関わらず、16人の団員全員が、本当に昭和の歌謡を愛し伝えていきたいという想いでいっぱい、という感じの舞台でした。

 あの問答無用で圧倒的なパワーに、こちらも見事に乗せられて(笑)、とても楽しい2時間半を過ごさせてもらいました。

 あれほど「生でしか解らない良さ」を感じられたのはかなり久々の事です。
 事前に動画を見たり、サイトでどういう劇団なのか、あと、開演前に知人がプログラムを買ってくれまして、団員のプロフィールなども一通り見たのですが、なかなか「昭和……ついて行けるのか私;」感がぬぐえなくて。
 それでも鑑賞してみたいと思ったのは、知人が常日頃から鑑賞したときに読ませてくれるブログのレポで、
「本当に昭和の時代の諸々のエンタメを好きで、演じていて楽しいんだろうなぁ」
 という好奇心から。

 それを肌身で実感して、本当にそのとき初めて
「お誘いしてもらってよかった!!!!」
 と思いました。しつこいくらい知人に「ありがとう」と「見れてよかった!」を繰り返してました。笑

 とっても個人的な感想列記(思いつくままに書きなぐったら、ものすごい文字数になりそうなので)

■客席の一部、スポットライトが邪魔になってしまうだろうから、と、花道のすぐ脇、という超絶オイシイ席を用意してくれる細やかな配慮に感動!

■男性の役者さんは2人だけ。このどちらもが、それはもう素晴らしい上腕二頭筋でして!!(知人に苦笑された;)

■自分の中の天海和尚が、BASARA過ぎたことに猛省…。

■知らない曲なのだけど、すごく今どきっぽく聞こえて若い子にもウケるんじゃないかと。
 「あ、あれは井上陽水の曲」<知人談「マジ!?」と驚いた
 ただ、今風味な「曲」なのだけど、歌詞が「キミに想い届け過ぎ」みたいな、ありきたりではなくてすごく新鮮でした。

■映像出演に
 天海和尚&歴史学者小倉久寛/徳川家康渡辺正行/徳川家光:溝口琢也(敬称略)
 のお三方が、江戸文化の起源というか、歴史を演じてくださっているのですが、これがもう頭から離れない…っ。笑
家光「それもこれも、祖父、家康の代より天海殿のご指南あってこその賜物です」
天海「タマ…はて、どこに行ったかの…」
 ボケてんのかぃジジィwwww
家康「堪らん! 堪らんのう!!(怒)」
天海「お金が、ですかな?」
家康「誰が金の話をしておる!」
  「秀吉公は無体じゃ。こんな葦でまみれた一面の湿地を領土に、などと。駿河の方がマシじゃった!」
天海「宝が見えませぬか。湿地、ということは、水の豊富な証拠。家康公には一面の水田が見えませぬか」
  「水はけが悪く湿地となるのは、利根川の流れが原因でしょう。その流れを変えることで、人の住めぬこの領土も、やがて家康殿のお力によって人の多く集う街となりましょう」
家康「なるほど! して、利根川の流れを変える、ということは、つまりバイパス工事をすればよい、ということじゃな?」
天海「あの…この時代にバイパスっていう言葉はないんで、そこンとこ一つ、よろしくお願いします;」
 唐突なギャグ展開wwwww
家康「バイパス、そうか、ではなんと言えば?」
天海「ウカイでございます」
家康「っていうと、あれか。長良川の」
天海「そうそう、紐でくくって、魚を捉えたら首をきゅ、っと軽く締めて魚を…違います!」
家康「では、ウカイとは?」
天海「だから、こう…流れをですな、ぐぐ、っと、こう…ぐぐっとバイパスして、ですな」
家康「今、天海殿もバイパス言ったね?」
天海「あ; い、言いましたね;」
家康「でしょでしょ? バイパスとしか言いようがないでしょ?」
天海「まあ、じゃあ、もうほんならバイパスでいいですよ、話戻しますよ;」
 本題どこいったwwwww

 あ、全然簡略化できてない;

 セットリスト的なものを含めた良レポを見つけました。^^

 虎姫一座、六本木での追加公演決定

 とにかく、頬筋が疲れてしまうくらい笑って来ました、歌って来ました、楽しんで来ました。^^
 お気に入りのメンバーさんは、
・勝気な瞳の目力が魅力のなおさん
・ゆうきさん&あきらさんのステキ上腕二頭筋コンビ
 いや、和太鼓の腕前もすごかったんですけど!!
 手を伸ばせばステージの天板に触れるくらいの至近距離で見れたのですが、上腕二頭筋に血管浮き出てるのまで見れましたね、かっこ良過ぎて悶えました…。
 でも、あきらさん(ひげ面)の花魁には、ほかのお客さんより先に見えてしまって(扇子で顔を隠していたのだけど、私の位置からだとひげ顎が丸見えだったw)、一人タイミング外して噴いたのでした、恥ずかしい…。
 公演終了後、メンバーの皆さんが出口でお見送りをしてくれたのですが、あきらさんには開口一番
「和太鼓! めっちゃすごかったっす! 上腕すごかったです! 目の保養ありがとうございました!!!!」
 と理性ぶっ飛んでかましてしまいまして、すっごい苦笑い&「あ、ありがとうございます(たじたじ)」とされて来ました、もうオバチャンPowerで開き直った!(涙目)

 あ; 全然簡略化できてない;(二度目)

 ちょっと真面目(?)な方向の感想も…。
 天海和尚からの数々の助言により、荒地だった江戸・東京は当時で世界一と言われる百万人都市になったのだそうです。
 そして、天海和尚は江戸の統治に風水を取り入れ、鬼門封じを施しました。
 昔、日枝神社の植栽管理仕事に関わったことがあるのですが、そういう歴史を知っていたらよかったなー、と、自分の無知さを呪った次第。
 そして、天海和尚の言葉で感銘を受けたのが、
【文化とは、人を、心を耕すことである】
 という言葉。
 浅草を起源とする虎姫一座では、江戸の文化を、天海和尚の平和的で豊かな発展を、という想いを次の世代へ伝えてゆく、というコンセプト、理念のもと、敢えて大きく発展を遂げた昭和をテーマに、劇やパフォーマンス、歌のメドレーなど、様々な形で古き良き、されど温故知新となるように、とエンターテイメントを提供してゆくユニットです。
 生で舞台を鑑賞して、しみじみ「世代や時代は関係ないな」と思う舞台でした。

 彼らは、自分たちが信じていることを楽しんでいただけるように、だけどお客の好みに迎合し過ぎるのではなく、あくまでも「自らが」楽しく、を大事にしつつ、お客さまにも楽しい気持ちになって欲しいという想いで素晴らしいひとときを提供してくれていました。
 ジャンルは違えど、人に感銘を受けて欲しいという意味では、創作に携わる人たちも同じ想いではないか、と。
 とても含蓄のある天海和尚の名言でした。

 本当に、楽しいだけでなく、学ぶことの多い舞台でもあり、とてもよい刺激になりました。