【20.04.02.】『孤島部長』感想
無人島で生理…どうする!?
営業部の古藤部長と新卒社員・小松が 孤島事業部に配属され3週間ほどが経ちます。
私はもう立派なサバイバーです。
そんなところに、やってきてしまった女の子の日!
初めての一人夜間出勤!そして、新たな遭難者が上陸!!
しかもなぜか部長との距離が近くなりすぎてドキドキする…
もうトラブル続きで、キャパオーバー寸前です!
【ここから感想です】
マンガワンのアプリで連載中の作品ですが、本編をアプリで先読みしつつ、紙書籍での書き下ろしの豆知識が楽しみで購入しています。
船が難破して遭難、なかなか救援が来なくて、大の苦手だった部長との孤島での遭難生活…というぶっ飛んだ設定と、まるで悲壮感のない登場人物たちの織り成す遭難生活の様子が、全力でコメディしています。笑
遭難生活が続くに従い、新卒社員の小松が、孤島部長の人となりを知っていく過程は、かわいらしくてキュンとします。
手許に欲しい!と思わせたのは、なんといってもサバイバル術でした。笑
個性的過ぎる登場人物たちが、強烈なインパクトで具体的なサバイバル術を披露してくれるので、頭の中にこびりつくんです。
例えば、
「小松、コンドームの使い方を教えてやる(by孤島部長)」
「!!?(by小松)」
といったやり取りの後で、水を入れたコンドームで太陽光の屈折を利用した火起こしの方法や、防水が必要なものの保存に使うなど、ハウツー本で読むと時間経過とともに忘れそうなことを強いインパクトで覚えていられる、といった具合に、また日本全体に影響を及ぼすレベルの大災害が起きたとき役に立ちそうなサバイバル術が網羅されているので、読んでいて勉強になる面もあります。
この3巻では、小松に初めて(メチャクチャ面倒くさい性格のねじれた、しかし知識は豊富で有能な)部下ができるのですが、これまで指示に従う側だった小松が「指導する」という立場で奮闘する姿から、読む側も人間関係においてどこに重点や意識を置くのがよいかを考えさせられるシーンがあったり、ビジネスの場だけでなく「人間関係」そのものについて、小松の素直な在りようから自分を振り返るきっかけができたり、といった感じで、ただ面白いだけではない点が面白い作品だと思います。
もちろん、そんな難しいことを考えず、笑えるやり取りがいっぱいあるので、単純に楽しく読める1冊としてもおススメです。
とにかく孤島部長が、ビジネスに於いては超人的有能なのに、恋愛については不器用過ぎてクスクスと笑ってしまうお話です。