本と映画と日常と

自分が読んだ本、鑑賞した映画と日常の徒然を書き留める備忘録ブログです。感想記事にはネタバレもありますので、各自の判断と責任のもと閲覧くださいませ。

【20.04.02.】『孤島部長』感想

 

孤島部長(1) (裏サンデー女子部)

孤島部長(1) (裏サンデー女子部)

あらすじ:
大嫌いな上司と、無人島で新人研修!?
テキトーに慎ましく生きたい新卒社員・小松は完全無欠の鬼エリート・古藤部長が心底苦手。 
しかしある日、不運に不運に不運が重なり二人は
無人島」に流されてしまった!!? 
ピンチなはずが部長は通常運転!? 
あろうことか…新人研修!?
笑って学べて、ときどき胸キュン! 
サバイバルラブコメディー!!
孤島部長(2) (裏サンデー女子部)

孤島部長(2) (裏サンデー女子部)

あらすじ:
完全無欠部長が故障!?
テキトーに慎ましく生きたい新卒社員・小松は
完全無欠の鬼エリート・古藤部長が 心底苦手。
しかしある日、二人は「無人島」に流されてしまい、
孤島事業部でマンツーマン新人研修を開始することに!?
無人島でも、完全無欠なAIっぷりを発揮していた部長が
突如、プスプスと音を立て、セクハラ発言!?
しまいには小松が押し倒され、部長の自制心が崩壊!!?
孤島事業部、働き方改革を行う第2巻!!
孤島部長(3) (裏サンデー女子部)

孤島部長(3) (裏サンデー女子部)

あらすじ:
無人島で生理…どうする!?
営業部の古藤部長と新卒社員・小松が 孤島事業部に配属され3週間ほどが経ちます。
私はもう立派なサバイバーです。
そんなところに、やってきてしまった女の子の日!
初めての一人夜間出勤!そして、新たな遭難者が上陸!!
しかもなぜか部長との距離が近くなりすぎてドキドキする…
もうトラブル続きで、キャパオーバー寸前です!
孤島部長(4) (裏サンデー女子部)

孤島部長(4) (裏サンデー女子部)

あらすじ:
無人島サバイバルラブコメディー、最終巻!
営業部の古藤部長と新卒社員・小松が孤島事業部に配属され、救助が来る気配は一向に見えないなか、もうすぐ1ヶ月が経過します。
そんなある日、部長は救助を求め、出張に出ることに!
初めて迎える、部長不在の1週間。
そこで小松に課せられた課題は「ノーミス勤務」
その課題の報酬は、部長との「恋の進展(公認)」…!??
恋と課題がクライマックスの最終巻!

 

【ここから感想です】

 

マンガワンのアプリで連載中の作品ですが、本編をアプリで先読みしつつ、紙書籍での書き下ろしの豆知識が楽しみで購入しています。

船が難破して遭難、なかなか救援が来なくて、大の苦手だった部長との孤島での遭難生活…というぶっ飛んだ設定と、まるで悲壮感のない登場人物たちの織り成す遭難生活の様子が、全力でコメディしています。笑

遭難生活が続くに従い、新卒社員の小松が、孤島部長の人となりを知っていく過程は、かわいらしくてキュンとします。

手許に欲しい!と思わせたのは、なんといってもサバイバル術でした。笑
個性的過ぎる登場人物たちが、強烈なインパクトで具体的なサバイバル術を披露してくれるので、頭の中にこびりつくんです。
例えば、
「小松、コンドームの使い方を教えてやる(by孤島部長)」
「!!?(by小松)」
といったやり取りの後で、水を入れたコンドームで太陽光の屈折を利用した火起こしの方法や、防水が必要なものの保存に使うなど、ハウツー本で読むと時間経過とともに忘れそうなことを強いインパクトで覚えていられる、といった具合に、また日本全体に影響を及ぼすレベルの大災害が起きたとき役に立ちそうなサバイバル術が網羅されているので、読んでいて勉強になる面もあります。

この3巻では、小松に初めて(メチャクチャ面倒くさい性格のねじれた、しかし知識は豊富で有能な)部下ができるのですが、これまで指示に従う側だった小松が「指導する」という立場で奮闘する姿から、読む側も人間関係においてどこに重点や意識を置くのがよいかを考えさせられるシーンがあったり、ビジネスの場だけでなく「人間関係」そのものについて、小松の素直な在りようから自分を振り返るきっかけができたり、といった感じで、ただ面白いだけではない点が面白い作品だと思います。

もちろん、そんな難しいことを考えず、笑えるやり取りがいっぱいあるので、単純に楽しく読める1冊としてもおススメです。
とにかく孤島部長が、ビジネスに於いては超人的有能なのに、恋愛については不器用過ぎてクスクスと笑ってしまうお話です。